2017年01月16日

アポヤンドの秘密-1

 アポヤンド(apoyando)、スペイン語で“寄りかかる”という意味、ということぐらいは、ギターをちょっと弾いたことがある人は知っていると思います。
しかし、正しい理解をしている人は‥‥とても少ないようです。
私自身“弾いた後に次の弦に指を置く弾き方”という程度の知識しか持っていませんでした。

スペインに修行に行ってから、初めて正しいアポヤンドを知ったときには、衝撃でした。
以下、その時に教えられたことの概略を書いてみます。
ただし、丁寧にやらないと逆効果になってしまいますので‥‥念のため‥‥。

キッチリと練習すれば、見違えるような音も出るし、運が良ければ指がテキパキ動くようになります。
お試しください。


※この文章は、以前“ネット講座無料版”の番外編の“べからず集”に掲載してあるものと同じです。
 こちらにも掲載して欲しい、という“図々しい依頼メール?”が多かったので、再掲載ということにしました。

cp_onkai-1.JPG
-1-
  -1-はアポヤンドの前段階の練習です。
ちょっと珍しい練習方法ですが、フラメンコの“普通のアポヤンド”を身に付けるには効果的な方法のひとつです。
B弦上に i mを軽く置く、あるいは軽く押し付けます。もちろん手首・肘・前腕・肩はリラックスさせた状態がベストです。
決して弦を弾こうとせずに、繰り返してください。

弦に触れるタイミングでリズムを感じるようにしましょう。
弦に触れるための動き初めではなく、はっきりと触れた時がリズム、拍として感じるようにしてください。

注:
ヘンな譜頭を使っていますがご了承ください。まともな音楽では使っていない記号です。触れる、ということを意味しているつもりです。

-2-
  -2-は-1-の次の段階の練習です。
-1-での、B弦に触れるタイミングでリズムを感じる、ということを大切にして、その直前にA弦を軽く浅く触れる、という練習です。
気分的には、あくまでも-1-の練習をしているのに、直前にA弦に触れてしまった‥‥という感じです。
初めからA弦を弾く、という意識は持たないでください。あくまでもB弦に指先を置く、押し付けるということがテーマです。

なお、音が出たから、といって弦からすぐに指を離したり力を抜いてはいけません。
ここが大きなポイントになります。ほとんどの人が“音が出たから目的達成!”と勘違いをしてしまっています。
これでは悪い意味の“音出し職人”になってしまい、本来の音の楽しみ・味わい、そして肝心の“弾ききる”ということも無くなってしまいます。

音が出た瞬間から消えていく‥‥まるで命のように‥‥その過程が音
なのです。

音は出すものではなく、響かせるもの‥”ですからね。

軽い、しかし素早いアポヤンドが完成することを目的としています


cp_onkai-2.JPG
-3-
  -3-は-1-のp編です。
-1-と同様にpをC弦上に置く、あるいは軽く押し付ける、という感じで繰り返しましょう。

ちなみに、-1-も同様ですが、弦に触れた瞬間に力を抜かないようにします。
“アレッ?”という感じで一時停止のような気分で弦に置きます。
場合によっては、前腕に伝わる力も停止するので、腕全体が“軽く固まる”ような感じを受けるかもしれません。
それはそれでOKです、無理して完全な脱力を目指す必要はありません。

-4-
  -4-は-1-に対する-2-のp編です。
つまり、pをC弦上に置こうとしたら、直前にD弦に触れて音を出したしまった‥‥という感じです。
これもC弦に触れる時がリズム、拍を感じるようにしてください。
決してD弦の音でリズム、拍を感じてはいけません。

ちょっとイラッとするかもしれませんが、フラメンコギターを弾く上で最も重要なことを練習している、と思ってください。
外国語で言えば正しい発音、発声の練習でしょう。

-5-
  -5-はおまけです。
-4-のバリエーションと言うか応用編です。

ここでも、C弦に触れるタイミングを拍として感じ、2拍目ではpを戻す時に軽くC弦に触れてしまった‥‥という感じでアップします。
しつこいようですが、決して弦を弾くと言う意識は持たないで練習してください。
悪い癖が付く原因になってしまいますから‥‥。

posted by 羊飼い at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋
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