2017年05月10日

コードについて-1

 昨日、来月のミニ・コンサートの練習で、ピアノの安藤さんと音合わせをしてきた。本番の1ヶ月前なのに初合わせである。
以前の私では考えられない準備期間の短さだが、いろいろと活動されている安藤さんのスケジュールの都合もあるので、短期決戦!ということになった次第。

しかし、違うジャンルの人と合わせようとすると、改めてフラメンコのいい加減さに気が付かされる。
やはり音楽には国境が歴然として存在しているな〜、と再確認。
特にコードについてのことだが、さすがジャズ畑の安藤さん、いろいろと鋭いところを突いてくる。
しかし、とても勉強になる。

家に戻って、練習になると思い、パコ・デ・ルシアの“二筋の川”(今回のライブでは弾かないが‥)の前半部分のコード進行を考えたみた。
今までは[Am7-Bm7-Am7-B7]というのが基本だと思っていたのだが‥‥!?
例によって“デタラメに近いアドリブ?”でいろいろと遊びながら試しているうちに“何かヘンだな〜!?”と感じるようになってきた。
フレーズとコード進行に、これまで感じなかった違和感がフツフツと感じられるようになってくる。
“ナンデだろう‥‥?”

そこで、とても基本的なことに気が付いた。Am7もC6も同じ構成音、ということだ。今更何を言っているのだ!!と、我ながら恥ずかしいとは思うが‥‥。
ということで、コード進行を[Am7-Bm7-Am7-B7]から[Am7-Bm7-C6-B7]と考えてアドリブ練習を試みた。
すると、なんとスラスラといろいろな音が湧いてきたではないか!!
フラメンコの特徴である“半音下降でキメ”という感じが強く感じられるから、かもしれない。
でも、オリジナル録音を聞いてみると、イントロでベースは[Am7-Bm7-Am7-B7]の感じで弾いているのが、ちょっと気になると言えば気になる‥‥!?

いずれにしても、ギターが同時に出せる音数は6つ、ピアノのように10個は出せない。
という理由で、ギターではコード感、つまり和声学的にはとても貧弱というか未熟というか、いい加減な楽器なんですね。改めての再確認をした次第です。

ちなみに、伝統的なフラメンコのカンテ伴奏では、パコも言っているように3つか4つ、多くて6つか7つのコードで伴奏できてしまう。それも低音がどうとかポジションがどうとか‥等は“そんなの関係無〜い!!”、という使い方で伴奏していたようです。楽な時代でしたね〜!!
これで何の違和感も感じなければ良いのだが、しかしある時、感じてしまうようです。
ここからカンテのメロディーに対するコード付けに試行錯誤し始めたのがパコ、なんですね。
曰く“フラメンコに知性を加えたい‥‥”みたいなことを言っていましたね。
“フラメンコには知性なんか必要ない!!、魂だ〜!!”と言い切れる幸せな人たちもいますが、どうなんでしょうね‥‥?
以後、ジャズっぽいコードも使い始めたのですが、なかなか正解が見えてこなかったようです。
でも、若手ギタリストたちが引き継いで、いろいろと探っているようです。

ここでひとつ‥‥フラメンコではコードというのは和声学的に考える部分は少しだけで、それよりも“単音の色合い?を表現する為にあるのがコード”、という考え方・感じ方で使うのが普通ですね。
これを外すと‥フラメンコとは言えない世界になってしまうようです。このあたりのことは後日改めて書いてみたいと思います。ついでにモードについても‥‥。

しかし、同じコードを何か所で弾けるギターの特徴によって煩雑な作業を強いられている、という感じですかね!?
そのために、どこのポジションで弾くか?、低音を何の音として弾くか?、カンテのメロディーの音を最高音として弾くか?、それとも代理コードを使ってフワッとした感じを加えた方が相応しいのか?‥‥これらのことを打ち合わせの時に試行錯誤して使うコードを決定する、ということが現代のフラメンコギタリストに求められているようです。あ〜っ面倒!!
いずれにしても、唄い手さんの要求に応えて、また了解を得ることが必要なことですが、最終的にはセンスの問題ということになるのでしょうね‥‥。

例えば、Diego del Moraoさんのカンテ伴奏をじっくりと観察してみてください。
ただコードだけ弾いているのではなく、低音の使い方、リズムの取り方、そしてポジションの使い方など、とても参考になると思います。他にも素敵な感覚で弾いているギタリストが、どんどん出ているようです。
しかし、コードの捉え方とメロディーの関係、難しいですね〜、でも、面白い。
posted by 飯ヶ谷 守康 at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋
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