2017年08月13日

ピカード(picado)の特訓−その3

 ピカード(picado)の特訓−その3、です。

picado(ピカード)という言葉の意味は“細かくかる、みじん切り”という意味があります。
つまり“細かく分割する”という考え方が大きく関係してきます。
とかく日本を初めとする外国人ギタリストは“鋭い、突き刺す‥”的な意味合いで解釈している人が多いのですが、これも“大いなる誤解”の一つなのです。
強くて鋭い音を出そうとして指をバタバタと弦に叩きつけるように弾いてしまいがちですが、これでは汚い音が出るだけです。すぐに改めましょう。

ということで、ビカードの正しい理解として、今回は“分割”という感じ方について考えてみたいと思います。
また、この考え方は他のメカにも共通する部分がありますので、しっかりと丁寧に理解・実感するようにして欲しいところです。

“そんなことはフラメンコの魂には関係ない!!”と感じる人も多いかと思いますが、もっと気持ち良く心の赴くままに指をコントロールしたい、もっと指を動くようにしたいと考えている方は、ぜひ取り組んでみてください。効果絶大!です。

ここからは譜面を見ながら読んでください。

picado-3.JPG

1.
 何のことのない全音符です。
ただし、音が出た瞬間に指の力を抜いたり緩めたりは絶対に禁物です!!
参考までに良い例と悪い例の動画をサービスとして付けてみました。参考にしてください。
     ※サイレントギターで弾いてます<(_ _)>

ビカードの特訓やアポヤンドの秘密のところでも説明していますが、音が出た瞬間に力も意識も無くなることが、指の動きを阻止していることを理解してください。
音を響かせる、音に魂を吹き込むということは、音を出す瞬間ではなく音を出すための“動き”そのもの、ということを理解・実感することが最重要なのです。でないと弾いてるつもり、弾けているつもりの“つもりの世界の住人”になってしまいます。素直に謙虚になりましょう!!

ということで、全音符の長さの間、音を出してからもアポヤンドの状態は崩しません。
何度もしつこくて恐縮ですが、このようなしっかりとしたアポヤンドをやろう、という強い意志で弾くことが“普通のアポヤンド”ということです。この精神?が集中力に繋がっていくようです。
単なる“乗り”では興奮はしても集中は難しいようです。

2.
 1.の全音音符を4つに“分割”したものです。
ということは、全音音符を弾いて音が響いている間に入っている手・手の平・手の甲などの力と意識が抜けたり弱くならない状態のまま、4つの4分音符を弾かなければいけません。
これが意外と難しいものがあります。勘違いしやすい部分かもしれません。

1拍づつ力が抜けたり入ったりしては、1拍子が4つある、という感じで響いてしまいます。
細かいことと思わないでくださいね、最も重要なことですから‥‥。
1拍を4つ弾いて4/4という感じ方ではなく、1つの全音音符を4つに分割している、という感じ方です。

これはフラメンコだけでなく、音楽としての絶対に不可欠な感じ方です。
これが理解・実感・実践が出来ていないと、音楽にもフラメンコにもなりません。ただの“ギターを使った雑音の羅列”になってしまいます。気を付けましょう。

3.
 これはさらに細かく8分割されたモノですね。
力の持続が、即、リズムや音の流れを作ると考えてください。
カンテでいえば、息継ぎみたいなことと考えましょう。一声出すたびに息継ぎしていてはカンテになりまらんね。

歩くことで考えれば、一足ごとに脚や腰の力が抜けたり弱まったりしては、まともに歩けないと思います。走る場合には、なおさらですね。
でも、ギター、特にフラメンコギターを弾いている人を見ると、指の一つの動きで音が出るたびに力と意識が抜けてしまったり弱くなってしまっているのを、頻繁に見ます。結果、“一音に魂を入れているつもりで”音がデカいだけで説得力も無いし、そもそも指が動かない‥‥哀しい現状のようです。

4.
 同様に3連符を使った例です。
余裕のある人は様々な“分割”で練習してみてください。
運が良ければ“何らかの閃き?”を得られ、突然指が速く動き出すと思います。

5.
 しかし、何事にも好みもありますので、指が速く動けば良いというものでもないのですが、現代のフラメンコギターの世界の標準?ということで、動画付きで紹介するのがこの6連符、です。
このくらいは誰にでも弾けるはずのレベルです。本場に行けば素人さんでもゴロゴロいますからね。
日本でもこのくらいはゴロゴロと居て欲しいところです。何しろ67歳の私でも軽くできていますので‥‥(聞きようによっては、感じ悪い表現ですね‥‥<(_ _)>)



あくまでも標準レベル、ということで目指してください。
とっくにできているよ!!という人がいたら、ご一報ください。
良かったら、一緒に気持ち良いことをしませんか!? 低給優遇?しますよ!!(^^ゞ
posted by 羊飼い at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年07月15日

iとmによるトレモロ練習

 今回はiとmによるトレモロ練習を課題として考えてみることにします。
目的としてはアルペジオの動きを軽やかに、そしてハッキリとした綺麗な響きを得ること、ということです。

更にオマケとして、ピカードが弾きやすくなり、スピードアップの効果も期待できる、という優れモノの練習です。
ただし、しつこくて恐縮ですが、ただ音が出せればokということではありませんので、念のため‥‥。


では、譜面を見ながら読んで、そして音を出してみてください。

tremolo por im.jpg

1.
 クラシック風の4連符のトレモロですが、右手はp-i-m-iという指使いで弾きます。
pは軽いアポヤンドで弾いてください。アルアイレでは効果がほとんどなくなってしまうでしょう。
弾きづらく感じる場合は、imの力の使い方が良くない、と判断できます。

リラックスした状態で、爪だけが動いている‥‥みたいなイメージで弾いてみてください。

初めはゆっくりで良いのですが、効果が出てくるのは♩=100位からでしょうね。
このテンポを最低20〜30秒くらい維持して弾き続けるとpimの力の使われ方、動き方が自然と修正される‥‥かもしれません(^^ゞ。
騙されたと思ってチャレンジしてください、きっと後悔することになると思います‥‥なんてことは、ありません!!

なお、♩=100位のテンポで出来ない場合には、基本が理解できていない、と判断してください。

2.
1.のバリエーションです。
弾く弦が異なりますが、1.の場合と力の使われ方・指の動きが何ら変わりなく弾けることを目指してください。

しつこく書きますが、音を出す練習ではなく“正しい力の使われ方と自然な動き”を探りながら修正、そして維持することが目的ですので、お忘れなく!!

3.
 これは応用例の一つとして挙げてみました。ファルーカ、の一部です。pの弦の変化に惑わされることなくimが“流れるように”動いて音が響く‥‥というイメージを持ち続けて練習してください。
途切れ途切れのトレモロになりやすいと思いますが、それは力の使い方がヘン!だからでしょう。

また、スピードが出ない場合は、力の伝達がオカシイ可能性があります。
どうすれば良いか!?‥‥試行錯誤するか、きちんと細かい部分まで音が出ている人を見つけて教えてもらってください。
このiとmによるトレモロ練習を繰り返して楽に弾けるようになると、アルペジオやビカードがすらすらと弾けるようになります。


これを元にして、様々にバリエーションの練習方法がありますが、キリが無いので割愛させていただきます。
興味を持った方は、いろいろなバリエーションを考えて練習してみてください。
今まで弾けなかったところが、ウソみたいに弾けることに気が付くはずです。

幸運を祈ります!!


posted by 羊飼い at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年07月08日

iの動き-1

何ともヘンなタイトルになってしまいました。
この練習の目的は、テンポやリズムに対してのiの動きとスピード、について考えてもらうことです。
音を出すことが目的ではありませんので予めご承知おきください。
ただ、↑iで音が出せればOKというのは、ごくごく初心者レベルの話であって、iを使ってリズムを弾く時には、ちょっとしたことを考え、経験して、そして実践する必要があります。
まずは譜面を見ながら実際に音を出してチェックしてみてください。

i-1.jpg
1.
 iだけによるブレリアの1コンパスです。
別に難しくもナントモありませんが、注意点としては、↑iのたびに、いちいち前腕が上下しないように気を付けてください。
弾きづらくなるばかりではなく、コンパス的にも1拍づつ“と切れた感じ方”になってしまうからです。
百歩譲って、前腕が動いて良いのはゴルペのある拍だけ、です。

2.
 1拍半づつのリズムです。というか、6/8と考えましょう。
また、3拍子の中に2拍子が同時進行している、ということを感じながら弾くようにすると良いことがあるかも、です。
難しく言えばポリリズム、ということになるんでしょうね‥‥1?

3.
さて、ここから本題に入ります。
これは2.のバリエーションなのですが、小節後半の↑iの直前に×(ゴルペ)が入っています。
何気に弾いてみてください。もし、メトロノームを持っている人は♩=200くらいで弾いてみることをお勧めします。というのも、あまり遅いテンポでは違いが分かりづらくなる恐れがあるから、です。

ちなみに、ここでも“↑iのたびに、いちいち前腕が上下しない”という鉄則は守ってください。
でないと、練習になりませんから‥‥。

1拍目の↑iと、ゴルペ直後の↑iでは、iの動く速さに違いがあることが実感できるでしょうか!?
もし、全部同じ速度で↑iが動いてしまっては、テンポの乱れ、リズムのずれ、そしてコンパスの流れを阻害してしまう、ということなのです。

これが理解できると、最も基本的な弾き方の一例である1.でも、ゴルペのある拍の↑iの動く速さが、他の拍での↑iとは違っているはずです。でないと、リズムは弾けてもコンパスは弾けない‥‥ということになってしまうのです。
しつこくて恐縮ですが、今回の目的は“テンポやリズムによって、或いは弾き方によって指の動く速度が異なる”ということを理解・実感してもらうことなのです。

ところで、この3.が弾きづらく感じる人は、言いづらいのですが‥‥初心者の域を出ていない、と判断してください。“いつもは、かなりのレベルの曲を弾いているんだ!!”と自分では思っていても、弾き切れていないということに“気が付いていないだけ”という可能性がある、と思ってください。
つまり、弾いている、或いは弾けている“つもりの世界の住人”になっている可能性があるということです。怖いですね〜!!

4.
これは2.や3.のような6/8ではなく、3/4の感じですね。
ここでも1拍目の↑iと2拍目の裏の↓i、そして3拍目の↑iの動く速度が異なることを実感してください。
同じ速度で動いているうちは、いわゆるコンパス感は表現できません。ここは謙虚になる必要があるようです。

ちなみに、速い速度で指を動かそうとすると、ついつい力んでしまいがちですが、力んでしまうと筋肉が固くなり、却って動きを遅くしてしまいがちです。焦りを生むだけのようです。
力ではなく技?という感じ方で弾くようにしましょう。軽く素早くハッキリとした動き‥‥です。

最後に一言‥‥
本当はブレリアスは6/8で書いた方が良いと思うのですが、譜面の見易さを考慮して3/4で書くのが一般的のようです。念のため‥‥。
posted by 羊飼い at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋