2019年11月05日

今更ながらのゴルペ-1 改訂版

 ゴルペ(golpe)、スペイン語で"叩く"という意味であることは、フラメンコギターを弾いている人なら誰でも知っていると思う。
しかし、ゴルペが使われる意味・意義、そして用法ということになると、意外と知らない人が多いように感じる。
"ゴルペなんて、ゴルペ板をトントンと叩けば良い‥‥"ぐらいの知識しか持ち合わせていない人が多過ぎるように感じる。
結果、ゴルペをするたびに手・手首を、ひどい人は前腕まで動かしてしまったり、或いは全く意味の無いゴルペを使ってしまったり‥‥ということになっているようです。

ということで、真剣にフラメンコギターに取り組んでいるであろう少数の人たちに、ゴルペについて考えて欲しいと思い、ごく初歩的なことについて書いてみようと思った次第です。

ゴルペの主な使い方には、基本的には下記の場合があります。
1)単独で使う場合
2)i と使う場合
3)pと使う場合

ただ、使う意味としては、アクセントの時に使う‥‥という場合だけではありません。
そのあたりの、ごく基本的なことを考えて欲しいと思います。
なお、すでに完璧なゴルペができる、と思い込んでいる人、小難しいことや理屈?には拒否反応を示してしまう人たちはパスしてください(^^ゞ
ちょとでも興味のある方は譜面を開いて読んでみてください。
ブレリアスのリズムで練習します。
golpe-i.JPG
1.
 単独で使う例です。
何ということの無いゴルペですが、ここで気を付けて欲しいことは"なるべく手首・前腕が動かないようなゴルペをする"ということです。動かさないように、ではなく、動かないようなゴルペ、ということです。
また、ゴルペは基本的にはa(薬指)単独で動かす、という気持ちで行うようにしてください。
そして"打つ・叩く"というよりも"しっかりと指先を置く"くらいの感じで構わないようです。
特に1拍目では叩く感じ、2拍目では置く感じでゴルペしてみてください。そして、3拍目では2拍目でゴルペした薬指がゴルペ板から離れる時に↓iを弾く感じになります。
くれぐれも"↓iを弾く前に薬指がゴルペ板から離れる"ということは避けるようにする必要があります。リズムの感じ方の問題でもありますが‥‥。
語呂で言えば、"トン、トン、パー"や"トン、トッ、パー"ではなく、"トン、トー、パー"という感じとも言えるかもしれません。
もちろん、気分などによって強さやストロークの大きさは変化します。当然ですね。
ここでは基本的な6拍単位のリズムを感じながら弾くようにしてください。

2.
 1.のバリエーションです。
基本的なリズムを打ちながら、躍動感を感じさせる3拍目で i を使います。
このコンパスでは10拍目と11拍目でキメています。
12拍単位でのブレリアスでは10拍目でキメるというのが基本ですが、基本的な"1-2-3"の流れを強く感じる場合は、キメが11拍目まで流れることが多いようです。分かるかな〜('◇')ゞ

ちなみに、3拍目での↓↑の方向に気を付けて繰り返してみてください。

3.
 ちょっとブレリアスらしくなっています。それも"1-2-3-4-5,1-2-3-4-5,1-2"のリズムの括りの例です。
やはりここでもゴルペの入る位置・拍に注意してください。
できれば丸暗記して欲しいところです。

さと、ここで気にして欲しいことはごルぺだけでなく i の動きの速度の違いです。
例えば2.の1小節目の1拍目の裏の↓i と、1.の3拍目の↓i では i の動くスピードが異なっていることに気が付いたでしょうか!? 何度も弾き比べしてみてください。
この違いが理解できないと、フラメンコのコンパス感が身に付きづらくなってしまうのです。しつこく何度も弾き比べをしてみてください。

次回ではpとゴルペについて考えてみます。

posted by 羊飼い at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2019年10月20日

ギターを構える時に注意したいこと-補足

『ギターを構える時に注意したいこと』の補足、です。
以前の記事にコメントがあり、他にも気を付けた方が良いことがあったら教えて欲しい、とのことでしたので、ちょっと補足しておきます。
なお、これらはすべて相関関係がありますので、ご注意ください。ひとつだけできても効果は限定されてしまいます。
ちょっと細かいと感じる方もいるとは思いますが、私の経験、そしてレッスンの経験から効果が認められたことについて書いてみました。

1.腰椎と骨盤
 これが結構大切なことです。椅子に腰かけた時の腰椎と骨盤のラインがヘンな場合には、まず指先までのエネルギーの伝達がおかしくなってしまう場合が多いのです。
ひと口に構え方と言っても、椅子の高さだけでなく腰椎と骨盤のラインを理想に近い状態にしておくと、意外と楽に指が動いてくれたります。

2.頸椎
 顔やあごを前に出すような格好で弾いている人が多いようです。
だいたい弾けない人が多いように感じています。こんな姿勢は絶対に避けましょう、損するだけです。

3.横隔膜
 この横隔膜を意識することによって精神を安定させる脳内の物質「セロトニン」の分泌が増えるそうです。集中力をアップさせることにも直結するようです。

とかくギターの練習では同じ姿勢を続けるために猫背のようになったり、運動不足になりがちです。
すると、横隔膜が硬くなって動きが悪くなる。その結果、呼吸が浅くなり、交感神経が優位になって心身の悪い緊張状態が続く‥‥という悪循環を生み出しやすい、と言われています。

これはあくまでもイメージ・意識の問題?になりますが、本場での舞踊スタジオでは、よく"arriba!!"という言葉を生徒にかけます。
意味としては"上に〜、"と言う意味ですが、"がんばれ〜"というニュアンスでも使われるようです。
ここでは"上に〜"という意味で解釈した方が良いでしょう。では何を上にすれば良いのか‥‥昔、アチコチの先生たちに訊いてみました。
答えは"気分だよ。でも、明るさとか暗さではない。もし理解できなければ横隔膜を下げないことに気を付けていれば、そのうち分かると思うよ!!"‥‥というのが多かったですね。
ということで、ギターでも練習に取り入れてみたら、それを見ていた某ギタリストに"おぅ〜、少し様(サマ)になってきたようだね"‥‥と言われるようになりました。

以上の経験をふまえて、素直で真剣にギターに取り組んでいる少数の生徒たちには、しっかりと教えて取り組んでもらっています。結果は‥‥見違えるように弾けるようになっています。
信じるか信じないかは、それぞれの性格と熱意次第、ということなんだと思っています。

※上記のことは凡人に対してのことになります。
 天才系の方には当てはまりません。ご了承ください。


posted by 羊飼い at 10:59| Comment(1) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2019年10月07日

今更ながらの‥ラスゲアードの基本-2

2017年02月03日に書いた記事の続編です。
何を今更‥‥と思うのだが、あれから、とても真剣にお悩みの様子のメールが数十通も来ては、無視するのもかわいそうな気がしたので、ちょっとヒントになるかもしれないことを書く次第です。
といっても、あまり気にしない人も多いかと思いますので、そんな人はパスしてください。
ラスゲアードの基本についてお悩みの方だけ読み進めるようにしてください。

"今更ながらの‥ラスゲアードの基本"では、大きく分けると"擦るラスゲアード"、"叩くラスゲアード"に分かれる、と前にも書きました。
当然ながら表現のための技術という考え方からすれば、この2つの弾き方にもたくさんのバリエーションがあります。

"明るい気分で擦る"、"あきらめにも似た気分で擦る"、はたまた"元気良過ぎな感じで叩く"、"怒りを込めて叩く"‥‥等々、気分によって様々にグラデーションのように変化することを予め承知しておいてください。
ということで、今回は次の段階として、連続したラスゲアードについて書いてみます。

そもそもラスゲアードが使われる意味・感じの一つとして"コードの持続感の表現"ということがあることは以前に書きました。
他にもリズムの表現というのがありますが、それは次回に少しだけ具体的に書いてみようと思います。

ところで、コードの持続について考える前に、ラスゲアードの中で最も重要な指は"i"ということを意識してください。いつの世も" i と愛が大切なのです"。
ということでここからは譜面をクリックして読んでみてください。

rasgueo_kijon-2.JPG
1.
 アホみたいなラスゲアードです。
ここで気を付けて欲しいことは" i "を動かすたびに手首・前腕で i をリードしない、ということです。
別の言い方をすれば、i を使うたびに手首・前腕は動かない、ということです。(動かさない、ということではありません)
以前に書いた"i の動き-1"と共通することです。

ごく基本的な感じとしては、痒いところを掻く、おはじきをはじく、或いは指先で小さなごみを弾き飛ばす‥‥みたいな感じの動きと言えるかもしれません。戻る時も同様です。
絶対に手首・前腕は動かない使い方を探ってください。

2.
 mi、ami、chami、と使う指が増えていきます。
ここで i 以外の指で出す音は装飾音符で書いています。主役が i ということを強く意識してもらうためです。
とかく私たち日本人は"最初に動かす指"に気合を込めやすい民族のようです。結果、リズムの感じ方だけでなく、ラスゲアードさえも"頭乗り"になってしまうようです。充分に気を付けてください。

3.
 実際に良く使われるパターンです。
このような場合でも、くれぐれも"頭乗り"のラスゲアード、リズムにならないように気を付けましょう。
5連符の時でも2連符?の時でも、いちいち手・前腕は動かない、ということをチェックしながら繰り返しましょう。
ちょっと面倒かもしれませんが、大きなポイントなので意識しておきましょう。

4.
 3.のバリエーションです。
1〜2拍にかけて5連符が連続しています。1拍ずつとぎれやすいのですが、コードの持続感が主役ですので丁寧に練習してください。
大げさに言えば"2拍10連"みたいな感じ方で良いかもしれません。

今回はゴルペは使いません。
というのも、ゴルペを入れようとすると、手・前腕が高音弦側に動いてしまう危険性があるからです。
ラスゲアードの基本練習では"指だけで弾く"というくらいの感じ方で練習しておいた方が得策のようです。

なお、譜面に書かれている音は左手の押さえ方を示しています。
譜面に書かれている音すべが鳴っていなくても、最初のうちは右手の正しい動かし方だけ身に付ける、ということでも良いかもしれません。
特に、指の関節が固い人の場合は難しいかもしれません。指のストレッチを続けてすると全弦が鳴ってくるようです。

posted by 羊飼い at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋