2018年10月13日

アルサプーア-2

 フラメンコギターで使われる様々な技法の中でも、最も特徴的なのがアルサプア(アルサプーア)ではないでしょうか!?
何しろ、pだけでメロディー、コード、そしてリズムなどが表現できますからね。ぜひマスターしたい技法の一つだと思います。
以前にも“アルサプーア-1”として書いたのですが、その後お問い合わせが続きましたので、多少重複する部分もありますが書いてみました。以前の記事も一緒に読んで頂くと、より理解が深まる、かもしれません。よろしくご了承ください。

さて、アルサプアといっても、使い方によって、というかギタリストの音楽的な欲求によって、バリエーションはたくさんあります。
そのすべてを説明することは不可能なので、最も基本的なものに絞って紹介します。
“もう全部知ってるよ!!”と思っている方は‥‥無視してください(^^ゞ
興味のある方は譜面を開いてから読んでください。
なお、譜面では左手の押さえ方を示すためにコードとして@弦まで書いてありますが、必ず@弦まで鳴らす必要はありません。
各自のお好みで弾くようにしてください。

alzapua-1_net.JPG

1.は昔本場で教えられた最も基本的なパターンです。
昔はこのp-i-pもアルサプアと呼んでいました。今はどうなんでしょう‥‥??

譜面では簡単なことをしつこく繰り返していますが、あくまでも基本ということでご理解ください。
3連符の中の↓i以外のpは必ずアポヤンドで弾きます。←厳守!!
なお、ポイントはC弦からD弦に“pを戻す”ところにあるようです。分かるかな〜!? ^^) 
当然ながら、初めはゆっくり、慣れてきたらどんどんスピードを上げてください。遅いアルサプアは‥‥無意味ですからね。

2.
1.のバリエーションです。
1〜2拍目の拍頭が単音ではなくコードになっています。
ここでも1.と同様に“pを戻す”ところにポイントがあります。単音を弾いた直後のコード弾き、テンポが速くなると“もつれて”しまうことが多々あるようですが、ちょっとした“コツ”を掴めば、誰でもすぐに弾けます‥‥試行錯誤して見つけてください。

3.
このパターンが普通に言われているアルサプアだと思います。すべてpだけで弾くパターンですね。
実際の演奏時には低音部にスラーを絡めたり、コブシを付けたり、と様々な工夫、応用が施されます。
ここでのポイントはpの↑↓の時の動きの方向、のようです。
ということは、右手の位置など、いろいろ考えなければならないことがいくつかあるようです。
また、人によってpの関節の付き方、柔軟性などが異なりますので、更なる工夫が必要になるでしょう。
自分に合った位置、力の使い方を見つけるような練習をする必要があるようです。
大切なのは、やはり試行錯誤、ですね(^^ゞ

続いて、ちょっと特殊なアルサプアを紹介します。
これも譜面を開いて読んでください。

alzapua-1b_net.JPG
4.
 まるでpの爪をピックのように動かすパターンです。(私はピックが使えません<(_ _)>)
別の言い方をすれば単弦だけのアルサプア‥?‥とでも言えるかもしれません。
慣れないと余計な弦まで弾いてしまいますが、初めのうちは気にしなくて良いでしょう。
慣れるにつれて狙った弦だけを弾けるようになります。
ポイントは、各拍の頭の音をハッキリと響かせる、という意識が持てるかどうか、です。
リズムの遊び、とでも感じて繰り返してみてください。

5.
4.の応用例です。
これは大昔にグラナダのヒターノの子供に教えてもらったファルセータの冒頭部分です。
確か12〜3歳のガキ、おっと、お子様のギタリストの卵?に、“お前が気に入ったから、取って置きのファルセータを教えてやるよ!!”と教えてくれました。
コンパス後半のゴルペの感じ、伝統的なリズムの乗りですね!!

ちなみに、やや速めのテンポのブレリアスで弾いていましたね〜(@_@) 彼は今、どうしているかな〜!?
とても面白いファルセータです。興味のある方は勝手に後の部分を創って弾いてみてください。
ところで、他人のファルセータを色々とイジッて作られたファルセータを、オリジナルとは言わず“イジリナル”というそうです。‥‥ウソ、です(^^ゞ

posted by 羊飼い at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2018年08月24日

踊りの伴奏-2(Farruca-ファルーカ-2)

 この動画は“お薦め動画集”で2年位前に紹介したものです。

出演者は‥‥
バイレ/マリオ・マヤ、 カルメン・コルテス
カンテ/マヌエル・デ・パウラ、 ミゲル・ロペス
ギター/ アンヘル・コルテス、ラモン・アマドール ‥‥各氏、です。

イントロでマノロ・サンルーカル氏のファルセータを弾いているのは御愛嬌、ということで理解しておきましょう。
ここで肝心なことは、マリオさんの一挙手一投足に集中して観る、ということです。
テンポの変化について行ければ、OKでしょう。
付いて行けない人、タイミングやリズムが分からなくなってしまう人は、自分のリズムで弾いてしまう人でしょうね。
伴奏は、主役の唄い手や踊り手さんの感じているリズムを即座に感知してギターを弾かなくてはいけないのです。

といっても、日本の発表会みたいな場合は、踊る人がギターのリズムに合わせて踊っている人が多過ぎるようです。
これでは、何十年やっても、伴奏は覚えられないと思います。
やはり本場に行って修行するのが一番ですが、それが難しい人は、基本にうるさい踊りの先生を探して、そこで一緒にギターを弾かせてもらうのが良いかもしれません。

ちなみに、ファルーカですが、好みもあるとは思いますが、大昔Raul(ラウル)という凄い踊り手がいました。たしか、奥さんが日本人だったと記憶していますが‥‥!?
そのラウルさん、なんとパコ・デ・ルシアとレコーディングしています。

paco y raul.jpg

この中に収録されているファルーカ、とても伝統的な感じを“サラ〜ッ”と弾いています。本当は動画を探してみましたが、見つかりませんでした(._.)

聴いたことがない人は、このレコード、又はCDを持っている人を探して聞かせてもらってください。
でも、YouTubeにも全曲アップされているようですが‥‥。
しかし、この中のGuajiraやImpetuも、凄いです(^^ゞ

posted by 羊飼い at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2018年08月22日

複合メカ-4 トレモロ編

 複合メカの第4回目、です。
今回はトレモロ編を採り上げてみましょう。
トレモロは、単体?でも弾きづらいのに、更にスラーや回音(turn_ターン)、そしてコブシ等との合わせ技を伴なうことがあります。誰が最初にやり始めたかわかりませんが、実に面倒臭い弾き方を考えてくれたものです。“責任者、出てこいや〜!!”と、怒鳴りたい気持ちを押さえて、なんとかチャレンジしてみましょう。

ところで、回音(turn)についてですが、クラシックギターを勉強している方は当然知っているのですが、フラメンコギターをやっている方は知らない人が多いようなので、簡単に説明しておきます。
回音(turn)とは、回音記号が付けられた音を中心にして一つ上の音と一つ下の音を回るように弾く装飾技法です。
弾き方は二通りありますが、当該箇所で説明します。

また、これも、舞踊伴奏では、まず使われないようですので、興味のない方はパスしてください(^^ゞ
興味のある方は譜面をクリックして読んでみてください。

tremolo_fukugou-2.JPG
1.
 1〜3小節目の、それぞれ3拍目でメロディーの音が動いている例です。
1小節目では8分音符、2小節目では3連符、そして3小節目では16分音符も出てきます。
さて、実際にはどのように弾けば良いのか!?ということが、譜面だけではイマイチ分かりませんね!?
次の2.を読んでください。

2.
 実際の弾き方がコレ、です。
1小節目の3拍目は“ファ-ファ-ソ-ソ”と弾くのが一般的です。
2小節目の3拍目は“ラ-ソ-ファ-ファ”と弾くのが一般的です。なお、この拍の頭が前拍からタイで繋がっていることに気を配ることをお忘れなく。なお、3連符に関しては、ちょっとアバウトになる場合が多いかもしれません。
3小節目の3拍目は8分と16分なので“ラ-ラ-ソ-ファ”と弾くのが一般的です。

3.
 1小節目の2拍目に出てくるのが回音、です。2小節目の3拍目はコブシ、です。
3小節目の2拍目が3連符、そして4小節目の2拍目がコブシ‥‥。
これらの実際の弾き方は、次の4.をじっくりと見てください。

4.
 3.の実音の例です。
1小節目の2拍目に出てくる回音ですが、この場合は“ファ-ソ-ファ-ミ”と“回す”ように弾くのが普通のようです。
右手のi-a-m-iが、それぞれ綺麗に1音づつ響くように弾かなければマズイのです。
丁寧さと集中力が求められるようです。気合と魂だけでは‥‥まず、無理でしょうね。
また、くれぐれも“バクチ的”な考えで弾かないようにしましょう。ハズレの方が多くなると思います。

2小節目の3拍目のコブシ、ですが“ファ-ファ-ソ-ファ”と弾くのが普通ですが、お好みによって“ファ-ソ-ファ-ファ”と弾いても良いようです。

3小節目の2拍目の3連符、“ファ-ミ-ミ-#レ”と弾くことが普通のようですが、この場合は感じているリズムや気分によって“ファ-ファ-ミ-#レ”、或いは“ファ-ミ-#レ-#レ”になっても良いようです。
でも、そうなら最初からそのようなリズムで記譜するのが一般的なのですが‥‥フラメンコのアバウトさが出てくるようです。
ちなみに、フラメンコでは3拍子、3連符などの場合、真ん中の拍・音をテヌート気味に、つまりちょっと長めに感じることが週間のようです。そんなことも影響ある、かもしれませんね。

他にも、いろいろな合わせ技がありますが、最低これだけできれば、なんとなく様々な場合に対応できるようです。
面倒臭いのですが、なんとかモノにしましょう。

posted by 羊飼い at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋