2018年05月06日

アルサプア-1

 魂のこもる指と言われているp、その多彩な使われ方の中でも、最もフラメンコ的なアルサプアについて考えてみます。題して『アルサプア-1』、です。

アルサプア(alzapúa)とは、簡単に言えばpだけで単音、コード、そしてメロディーを奏でることができる優れ技?と言えるでしょう。
これがカッコ良く決まればラスゲアードやビカード並み、いや、それ以上のキメ感を得ることができる、かもしれない‥‥!?。

しかし、これがなかなか曲者(クセモノ)、というか、そもそも他の指とは構造的に異なった付き方をしているせいか、力の使い方や動かし方について誤解しやすい部分が多々あるようです。
また、人によっても関節の付き方、その柔軟性も異なりますので、簡単には説明できない部分があります。
ここでは、ごく一般的な指をしている場合、という前提で考えてみます。
もし、ここでの説明が当てはまらない場合は、自分の親指の付き方、柔軟性を呪ってください(^^ゞ
そういう場合は、別のアプローチが必要になるでしょう。

ここからは譜面を見ながら読んでみてください。
なお、ブレリアスで3連のアルサプアができている人は‥‥無視してください(^^ゞ

alzapua-1.JPG
1.
1拍目ではD〜C弦をすべらすように動かします。そして3連符の最後で↓です。
すべらすといっても、音の出るタイミングは意識下でコントロールされていなければいけません。気を付けてください。

なお、これらの練習の時には、右手人差し指(i)を@弦に軽く触れておいて練習するようにしてください。
pの力の使われ方と動く方向に対して、良い意味で制限を与えるためです。また、手首や前腕の動きを押さえる意味も含まれます。

2.
E〜D弦をpの↑↓の交互の動きで弾きます。ピックを使う感じに似ている、かもしれませんね。
ちなみに、私はピックは使えませんので、似ているかどうかは‥‥分かりません<(_ _)>

手首に固まるような力が入りやすいので注意が必要になるかもしれません。
関節は、柔らかく‥‥がポイントになるでしょう。

↓pの使い方が大きなポイントになります。
↑の時よりも“軽く素早く”動いている感じを自覚できるように繰り返してみてください。
後々、この感覚がアルサプアだけでなく、pを意のままにコントロールするために絶対に必要な感覚なのです。

3.
2拍目がコード弾きになっています。この時だけは@弦からiが離れて良い時です。
しかし、直後に@弦に“自然に”戻るようになっていればOKです。

繰り返しますが、pは↓の動きの時がとても重要になってきます。かといって、あまり力が入り過ぎると自滅することが多いようです。
軽く素早く動かして、でも音がハッキリと聞こえる‥‥というのが理想のようです。くれぐれも大きな音を出そうとしないようにした方が賢明です。
軽し素早くクッキリとした音が出ていれば、大きな音は簡単に出せるようになります。
チカラを入れれば良いだけですから‥‥。

車で言えば‥‥サイド・ブレーキを掛けたままアクセルを踏んでしまう‥‥という哀しい現象を多く見ます。
なにもアルサプアに限ったことではないのですが、“フラメンコには大きな音が必要だ!!”などという非常にばかげた妄想を持っている人が、少なからず居るようです。
そんな人たちは損な人たち、と教わりました。
大きな音を出そうとするあまり、力を入れ過ぎて、結果的にサイド・ブレークを入れたままアクセル全開‥‥になりやすいようです。
少なくともサイド・ブレーキは解除してから力を入れるようにすると、pが素早く動き出すのですが‥‥。
もちろん他の指も‥‥。

大きな音を出すのは簡単なことですから、後回しにしよう!!‥‥というくらいで構いません。
それよりも、細かな音までハッキリ、クッキリ、とギターを鳴らす癖と感性を身に付けることを優先させる方が、結果的に得策!?になるようです。
参考になれば幸いです。

posted by 羊飼い at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2018年05月04日

パコ・デ・ルシアの舞踊伴奏

 珍しい動画をリンクしてみました。
あのパコ・デ・ルシアが踊りの伴奏をしている動画です。
この頃は、まだパコ・デ・アルヘシーラスと名乗っていました。出身地のアルヘシーラスを芸名に使っていた頃です。
たぶん‥‥16〜7歳の頃かな‥‥!?

踊っているのは‥‥
La Chunga(ラ・チュンガ):1938年マルセイユ生まれ、だそうですが、あの伝説の舞踊家カルメン・アマヤさんの従姉妹、らしい‥‥!? “裸足の舞姫”として有名でした。

Juan Antonio Jiménez(ファン・アントニオ・ヒメネス):初代アントニオ・ガデス舞踊団の第一舞踊家として活躍されていました。また、ガデス舞踊団の女性第一舞踊家のクリスティーナ・オヨスさんの旦那さんでもあるんです。
ちなみに、クリスティーナさん、昔エル・フラメンコにも仕事で来日されていました。
恥ずかしながら、私のプロフィールのところにも一緒に練習していた時の写真があります(^^ゞ

唄っているのは‥‥
José Salazar(ホセ・サラサール):1941年バダホス生まれ、だそうです。
1956年にはCante Flamenco de Córdoba(カンテ・フラメンコ・デ・コルドバ)の全国大会で賞を受賞したと聞いています。

ところで、この動画でのパコの伴奏は、これと言って珍しい伴奏をしているわけではないようです。誰でもが弾く、という感じというか、ごくフツ〜に弾いていますね。
でも、パコが伴奏で弾いている、ということが珍しい?だけ、と言ってしまえばそれまでですが‥‥。
参考になれば幸いです。


posted by 羊飼い at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2018年04月24日

トレモロについて-1

 今回はトレモロについて考えてみることにします。

ギターでのトレモロは“単一の高さの音を連続して小刻みに演奏する”奏法、または“震える音のように聞かせる”奏法、ということになる、らしい。
元来、ギターやマンドリンなどの撥弦楽器では、演奏された音が非常に早く減衰してしまうので、音を長く延ばす為に使われる奏法、とも言われているようです。

フラメンコギターでは、主にソロの場合に良く使われるようです。
伴奏では、唄い手さんや踊り手さんが要求してこない限り、使われることが少ないようです。
ということで、興味のある人だけ読んでみてください(^^)/。

ここからは譜面を見ながら読んでください。
tremolo-1.JPG
1.
 クラシックギターに見られる、通称4連符のトレモロです。
実際の演奏ではメロディーラインを受け持つ弦が@弦という場合が多いのですが、それでは練習効果が非常に少ない、ということでA弦で練習します。
また、指使いですが、できたら譜面に書かれている3通りで練習してください。効果絶大ですから‥‥。

pは“軽くしつこいアポヤンド”です。また、imaを使い終わるまでアポヤンドしたまま、つまり弾いた次の弦上に置いたままにしておきます。
これは、あくまでも練習のために厳守、と思ってください。練習効果が無くなってしまいますから‥‥。

2.
 これは、本来拍頭で使うpを最後に弾いた場合です。
別の言い方をすれば“まったりした装飾音符”のようにimaを使います。

さて、1.と2.とでimaの力の入り方・動き方に違いが出てしまうかどうか‥‥というのが練習ポイントになります。
1.でも2.でも同じようにimaが使えていればOK!です。
もし、どちらかが“違う感覚”に襲われるとしたら、いずれかの指の力の使い方・動かし方がマズイ、と判断してください。

3.
 1.と異なり、フラメンコで普通に使われる通称5連符のトレモロです。
ここでも2通りの指使いで練習することをお勧めします。バランス感覚を養える、かもしれません。

4.
 2.の5連符バージョンです。
繰り返しになりますが、pは“軽くしつこいアポヤンド”です。音が出たからと言って力を弱めたり抜いたり、弦から離れたりしないようにしてください。

ごく一般的な症状?として挙げられるのが、“mが引っかかる”、“mがiaよりも外側に行ってしまう”、そして最も多いのが“mばかりバタバタ大きく動いてしまう”というもののようです。
以前“mの矯正”ということを書きましたが、心当たりのある方は読んでみてください。
といっても、様々な原因が隠されていることが多いので、矯正法は様々、というのが現実のようです。
一人で練習している方は試行錯誤して、誰かに習っている方は先生にしつこく質問して解決しましょう。

5.
 これは実際に聞こえる響きを、なるべく忠実に書こうとした譜例の一つです。
弾き初めは仕方ないのですが、2拍目以降、トレモロの最後の“i”で弾いた音が、綺麗に次拍の頭まで響き続けているかどうか!?が、肝心なことなのです。
全部の音がブツブツと途切れてしまい、スタッカートみたいな音のトレモロを良く聞きます。
弾いている本人は“うん、各音の分離が決まっているな〜!!”と感じている場合が多いようです。或る意味、とても幸せな人なんでしょうが‥‥実は、“困ったちゃん”なのです。
自覚の無いところに成長は無い‥‥という格言をプレゼントするしかないのですが‥‥(*_*;

暇な時にでもチェックしてみてください。

posted by 羊飼い at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋