2017年04月09日

基本練習の意味と必要性-補足の補足

 以前に書いた基本練習の意味と必要性、そして補足についてだが、なかなか真意が伝わっていないようなので、さらに補足の補足、ということで書いてみようと考えた次第です。

そもそも、基本練習というか基礎練習とは、誰もが持っているであろう“自然な力の使い方、そして自然な動き”の再認識と再現、ということを目的としたものだと思う。
しかし、ごく稀に変態的?とも思える“不自然な力の使い方と動き”をしてしまう人がいる。その人にとっては不自然が自然と感じてしまっているのだろう。困ったものです。
例えば、誰でもできるはずのスキップができない、キャッチボールができない、ビリヤードで的球に当てられない、ゴルフで空振りを頻発する‥‥。何度コーチから助言を受けても‥できない‥困ったものです。
昔だったら“君は向いていないようだね、すぐやめた方が良いと思うよ!!”とバッサリと切られていたと思う。

現に、私が小学校高学年になる頃、あまりにも字が下手というか汚いので、近所のお習字教室に行ってみた。先生曰く“じゃ〜、まず自分の名前を書いてごらん!?”ということで何気に書いてみたところ“う〜ん、君にはスジが無さそうなので、やるだけ無駄かもしれないね〜!?”と言われてしまった。即、通うのを辞めた。
しかし、今だったらちゃんと“コツ”を教えてくれたり、構え方・力の使い方、そして指・手・腕などの“自然な正しい力の使い方と動かし方”を教えてくれるらしい。

スポーツ関係でも、自分が持っている能力を高いアベレージで発揮するために、基本的な動きを何度となく練習することはご存知だろう。
野球でのキャッチボール・素振り・投球練習や、卓球での打ち込み練習‥‥等々。
ここで問題になることは“基本練習での自然な力の使われ方と動き”が出来ているかどうかをチェックしながらでなければ無駄な練習になってしまう‥‥ということだろう。
どんな体勢になっても、どんな心の状態になっても、常に自然な力の使い方と動きが再現される‥‥ということを身に付けるのが基本練習の大切な目的・意義なのです。

アレとコレを繰り返していれば弾けるようになる、ということは“運次第”になってしまうということなのです。
確かに運が良ければ“自然な力の使い方と自然な動き”で弾けるようになる人も、僅かですが、いるようです。
でも、私たちのような凡人の場合は、基本練習の積み重ねの中で“自然な力の使い方と自然な動き”を自覚し、再現するという手段・方法を採るのが最良だと思います。

しつこく繰り返しますが、同じ基本練習をするとしても、自分の身体と力の使い方、そして指などの動きに集中して、元々備わっている自然な能力で弾いているか、常にチェックし続けることが重要なのです。
気分やノリで、そして“その気になって”弾いている間は、まず自分の能力、それも高いアベレージでの能力は発揮できるようにはならないでしょう。肝心なところで躓いてしまう‥‥という演奏になってしまいがちなのです。
練習課題よりもチェック能力が、結局は気持ち良く弾けるようになる最大のコツのひとつのようです。

曲だけ弾いて“慣れを待つ”練習方法では限界があるのです。
また、自分に合う練習課題は、自分の悪いところ・欠点を見つけ出して、それを修正できる課題を考えるのが良いようです。
細かいところでは個人差がありますからね。

分かっていただけたら幸いです。

 

posted by 羊飼い at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年03月28日

ヘレスの子供たちのブレリアのリズム練習-補足

palma.JPG

 この記事?、結構読んでくれている人が多いようです。
logを見ると、どのページが多く読まれているかがわかる仕組みになっていますので‥‥管理者特権?です。

ところで、このフラメンコ処方箋はレッスンの形態をとっていません。
皆さんが“本気で”練習に取り組む際の問題提起、或は練習時に気にして欲しいことの抜粋、として書いているものです‥‥と以前に書いたにもかかわらず、お問い合わせ先にメールで質問してくる人がいます。
申し訳ありませんが、返信は一切できませんのでお断りしておきます。

と、前書きはこのくらいにして‥‥
ブレリアスのリズムの感じ方、なかなか実感として理解できない人が多くいるようです。
一番多いのが“12拍目からファルセータが始まっているから、やっぱりブレリアスは12拍目から始まっている‥‥”という初歩的な疑問を持ってしまう人が多くいる、ということです。
確かに、そのように聞こえるかもしれませんが、実際に音として弾いていない拍のリズムが感じられるかどうか‥‥ということだと思います。

このヘレスの子供たちが動画の後半で“1-2-3,1-2‥‥”言葉で言えば“ウン-ドス-トゥレス-ウン-ドス‥‥”と言ってリズムに入っているのを、丸暗記して欲しいところです。

前半の“1-2-3”は、一緒にリズムを感じるための導入部分?としてのもので、日本で言えば“せ〜の”的に考えてください。
また、12拍単位として考えた場合のコンパスの後半の“6-7-8-9-10”つまり“1-2-3-4-5,6-7-8-9-10,1-2”の感じ方の後半の6-7がウン、8-9がドス、そして10がトゥレス、になっています。2拍単位で感じている部分に注目してください。
直後の1-2、つまり11-12から始まるような数え方をしているわけです。

“1-2-3,1-2-3,1-2,1-2,1-2”というのは外人向けの基本的なリズムの数え方、でしかないことを理解する必要があるでしょう。これだけではコンパスの説明にはなりませんからね‥‥。

さて、ここでギターが音を出すタイミングですが、実際には様々な場合があります。
いずれにしても、キメの10拍目を意識、或いは“絡めて”弾き出すことが多いようですが、音を出していないからリズムがない、感じていないということではありません。
たとえ12拍目から音を出していても、頭の中ではキメの10拍目を意識して、直後からリズムをハッキリと感じて弾くことが普通です。
中には9拍目の裏から入っているファルセータもあります。でも、リズムの感じ方は前述の“1-2-3-4-5,6-7-8-9-10,1-2”の感じ方の上にギターが鳴っている、ということです。ちなみに、大昔は1拍目から感じて弾くことが普通でしたね。

言葉だけで説明しようとすると、かえって小難しく感じられるかもしれませんが、音の出始めがリズムの頭ではない、ということを肝に銘じるしかないようです。
頭乗りの3拍子のクセがついたままでは、フラメンコだけでなく、ラテン音楽やジャズも理解できなくなってしまうでしょう。私たち日本人の致命的な欠点の一つです。

メトロノームを持っている人は、3拍子に設定して、アクセントの“チン”という音を1拍目ではなく、3拍目でチン、という感じ方でギターの練習をしてみてください。
意外に簡単に“頭乗り”の悪癖から逃れられるかもしれません、お試しください。
1-2-チン、4-5-チン‥‥。結構楽しいですよ!!

頭乗りの悪癖退散!!

posted by 羊飼い at 18:21| Comment(2) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年03月12日

今更ながらのラスゲアード(3連符編)

 フラメンコギターを始めて間もない頃、まず魅力的に感じるのがラスゲアードの3連符でしょうね。
私も“なんか一人前になった錯覚”を覚えた記憶がある。バカですね〜!!
何が無くともラスゲアード、食前食後に3連符‥‥みたいな時期がありました。

ところで、ふと気が付くと、妙なラスゲアードの3連符を弾いている人の多さに気が付いてしまった。
私のところに習いに来る人の中でも、結構妙な弾き方をする人がいる。
でも、“なんかヘンな感じがするんですよね〜!?”と自覚のある人がほとんどなので、正しいというか、本場のギター弾きたちがやっている“フツー”の弾き方を教えてあげると、“あ〜っ、そうなんだ‥”と、その場ですぐにサラサラと弾けるようになる。
ということは、難しくもなんともない弾き方なんですね。
ただ、力の使い方、動かし方がヘンなだけなんだす。

ということで、今更ながらのラスゲアードの3連符について考えてみることにしました。
譜例を見ながら読んでみてください。
rasgueo-2.JPG
1.は指の使い方を書いてあるだけです。誰もが既に承知していると思います。指使いとしては‥‥
1)↓p-↑m-↑p-↓p
2)↓i-↑m-↑i-↓i
‥‥というのが一般的でしょう。

ちなみに、大昔はタブラオなどではP.A.なんて無かったので、ギターの音量が不可欠でした。ということで、ギタリストも2〜3名は当たり前で、“ここ”というところでは、全員で3連符で掻き鳴らしていましたね。体力勝負な部分、でした。
現在ではP.A.つまりマイクなどの拡声装置が充実しているので、そこまで体力を使う必要は少なくなってきたようです。

話を戻して‥‥
上記の1)ですが、初期の頃は音量が必要ということで、mだけでなくma、或はamiの3本を使っていました。バリバリッとした音が出ます。

ここで気を付けたいことは“前腕を軸として回すようにして、指先・爪先を弦にぶつけるように弾く”という弾き方をしてしまいがちなことです。これでは音質が悪くなりがちですし、綺麗に6本の弦を鳴らせないでしょう。
あくまでも全弦を均等に鳴らす‥‥という気遣いが必要です。

YouTubeを見るなら“3連の先駆者?”として名を成した“Juan Maya Marote(ファン・マージャ・マローテ)”氏の動画をじっくりと見ることをお勧めします。
かなり増えてきた“ヘンなレッスン動画”に惑わされないようにしましょう。

2)の弾き方は、人によってはmではなくaを使いますが、軽〜いコードの持続感が欲しい時に使われることが多いようです。
例外的?に強烈な3連が欲しい時にも使いますね。

模範動画:パコ・デ・ルシアの例、です。
paco-ras.jpg

2.は3連符を2回続けた譜例です。
1小節目の3拍目で↓pして、次小節目の1拍目も↓pになりますので、文字通りpがアップアップしてしまいがちです。
手首や前腕の回転よりも、pそのもののハッキリとした動きが必要になります。でないと全弦が鳴りませんから‥‥。
くれぐれも回転を利用して弦にぶつけるような“汚い”動きで弾かないようにしてください。

3.ストロークの動きが↑pから始まっています。ビセンテ・アミーゴもソレアなどで使っていますね。
3拍目のコードをpで“ダラ〜ッ”と響かせたい時に使われます。
つまり1〜2拍は3拍目に掛かる装飾音符的な感じ方で弾いているそうです。

従来の弾き方だと、強調したい3拍目が短くなりがちですからね。
要は、3拍を持続させたいか、3拍目を強調したいか、によって弾き方が変わってきます。
ラスゲアードを聴かせる・見せるのではなく、リズムを表現する・狙った拍を強調する‥‥という表現のためのラスゲアードということです。これが最重要なことですね。

4.はコードを持続させる3連符、です。疲れますね〜!!
実際にはコードの中のいずれかの音を変化させながらコード感も持続させる、という時に使われます。
指遣いは‥‥お好みで‥‥ということになると思います。

いずれにしても技術とか弾き方の目的は、あくまでも表現のためのもので、見せびらかすためのものではありません。
といっても、フラメンコに馴染みのない人たちの前で弾くと、やたらとラスゲアードばかりに耳と目がいってしまうようです。
見せものフラメンコギター、結構うけてしまいますからね‥‥困ったものです。

posted by 羊飼い at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋