2017年01月23日

ヘレスの子供たちのブレリアのリズム練習

 以前から “ブレリアスは12拍から始まると思っているのは大いなる誤解” と言い続けているのだが、なかなか信用してもらえない。
日本では間違った音楽教育を受け続けているのが原因、或いは、なんでもかんでもクラシック音楽を基本と考えて他の音楽、特に民族音楽を捉えようとする“誤った考え方”が主流をなしているせいだろう。

外国語を習得するとき、例えば日本人が英語を学ぶとき、“What time is it now?” を聞いて“掘った芋いじるな” とは、今では言わないでしょう!?
実はフラメンコのリズムなどを考え・感じ取ろうとする時に、それと同等な現象?が起きているらしい。
笑ってばかりは、いられない時代になっているというのに‥‥(-_-;)

なんとか説得力のある説明を‥‥と常々考えているのだが、今日、ネット講座を受講してくれている人から教えられたのが下記の動画。
ヘレスの子供たちのブレリアのリズム練習、とでも言える動画です。
ただ、これだけでは足りないのだが、少なくとも“ブレリアスは12拍から始まると思っているのは大いなる誤解” ということが理解できる、或いは理解できるようになるきっかけには、なるかもしれないと思い、急遽取り上げた次第です。

キメである10拍目を “一緒に感じ”て から、“11-12,1-2-3,4-5-6,7-8,9-10”と基本リズムを感じるように練習していますね。
真似してみてください、癖が付くまで‥‥。

また、2分44秒くらいから左の子がリードして“1-2-3”と数えていますが、これは“6-7-8-9-10”の拍です。
つまり“1-2-3-4-5,6-7-8-9-10”という“くくり”の後半を2拍づつ感じている、ということです。

大昔は“大きな3拍子”という言い方で“6-7-8-9-10”の6〜7拍目を1、8〜9を2、そして10が1拍だけ、つまり“小さな1拍”という感じ方で教えていました。
そして11拍目から一緒にリズムに乗る‥‥ということを繰り返します。

文字だけでわかるかな〜!?
ま、何度も動画を見て、動画の後半では一緒にパルマをたたいて練習してみてください。

ちなみに、3拍目の感じ方と、キメが10拍目だけの場合と11拍目までキメの流れが続く時がありますが、とりあえずはこの動画を繰り返してみて感じ続けてください。

ちなみに、以前のページで、ブレリアスのリズムについてザッと説明していますので、併せて読んで頂けたら分かりやすいと思います。
(画面左上の《検索ボックス》に“リズムにおけるアーティキュレーション”と入力してください。所定の記事にアクセスできましたら、タイトルをクリックすると記事がフル表示されます。)
palma.JPG
※写真をクリックしてください

※私たち日本人が誤解しているリズム、他にも、た〜くさんあるんですよ!!
posted by 飯ヶ谷 守康 at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年01月16日

アポヤンドの秘密-1

 アポヤンド(apoyando)、スペイン語で“寄りかかる”という意味、ということぐらいは、ギターをちょっと弾いたことがある人は知っていると思います。
しかし、正しい理解をしている人は‥‥とても少ないようです。
私自身“弾いた後に次の弦に指を置く弾き方”という程度の知識しか持っていませんでした。

スペインに修行に行ってから、初めて正しいアポヤンドを知ったときには、衝撃でした。
以下、その時に教えられたことの概略を書いてみます。
ただし、丁寧にやらないと逆効果になってしまいますので‥‥念のため‥‥。

キッチリと練習すれば、見違えるような音も出るし、運が良ければ指がテキパキ動くようになります。
お試しください。


※この文章は、以前“ネット講座無料版”の番外編の“べからず集”に掲載してあるものと同じです。
 こちらにも掲載して欲しい、という“図々しい依頼メール?”が多かったので、再掲載ということにしました。

cp_onkai-1.JPG
-1-
  -1-はアポヤンドの前段階の練習です。
ちょっと珍しい練習方法ですが、フラメンコの“普通のアポヤンド”を身に付けるには効果的な方法のひとつです。
B弦上に i mを軽く置く、あるいは軽く押し付けます。もちろん手首・肘・前腕・肩はリラックスさせた状態がベストです。
決して弦を弾こうとせずに、繰り返してください。

弦に触れるタイミングでリズムを感じるようにしましょう。
弦に触れるための動き初めではなく、はっきりと触れた時がリズム、拍として感じるようにしてください。

注:
ヘンな譜頭を使っていますがご了承ください。まともな音楽では使っていない記号です。触れる、ということを意味しているつもりです。

-2-
  -2-は-1-の次の段階の練習です。
-1-での、B弦に触れるタイミングでリズムを感じる、ということを大切にして、その直前にA弦を軽く浅く触れる、という練習です。
気分的には、あくまでも-1-の練習をしているのに、直前にA弦に触れてしまった‥‥という感じです。
初めからA弦を弾く、という意識は持たないでください。あくまでもB弦に指先を置く、押し付けるということがテーマです。

なお、音が出たから、といって弦からすぐに指を離したり力を抜いてはいけません。
ここが大きなポイントになります。ほとんどの人が“音が出たから目的達成!”と勘違いをしてしまっています。
これでは悪い意味の“音出し職人”になってしまい、本来の音の楽しみ・味わい、そして肝心の“弾ききる”ということも無くなってしまいます。

音が出た瞬間から消えていく‥‥まるで命のように‥‥その過程が音
なのです。

音は出すものではなく、響かせるもの‥”ですからね。

軽い、しかし素早いアポヤンドが完成することを目的としています


cp_onkai-2.JPG
-3-
  -3-は-1-のp編です。
-1-と同様にpをC弦上に置く、あるいは軽く押し付ける、という感じで繰り返しましょう。

ちなみに、-1-も同様ですが、弦に触れた瞬間に力を抜かないようにします。
“アレッ?”という感じで一時停止のような気分で弦に置きます。
場合によっては、前腕に伝わる力も停止するので、腕全体が“軽く固まる”ような感じを受けるかもしれません。
それはそれでOKです、無理して完全な脱力を目指す必要はありません。

-4-
  -4-は-1-に対する-2-のp編です。
つまり、pをC弦上に置こうとしたら、直前にD弦に触れて音を出したしまった‥‥という感じです。
これもC弦に触れる時がリズム、拍を感じるようにしてください。
決してD弦の音でリズム、拍を感じてはいけません。

ちょっとイラッとするかもしれませんが、フラメンコギターを弾く上で最も重要なことを練習している、と思ってください。
外国語で言えば正しい発音、発声の練習でしょう。

-5-
  -5-はおまけです。
-4-のバリエーションと言うか応用編です。

ここでも、C弦に触れるタイミングを拍として感じ、2拍目ではpを戻す時に軽くC弦に触れてしまった‥‥という感じでアップします。
しつこいようですが、決して弦を弾くと言う意識は持たないで練習してください。
悪い癖が付く原因になってしまいますから‥‥。

posted by 飯ヶ谷 守康 at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年01月07日

ギターは左手で弾くもの-1

 “ギターは左手で弾くものだ!”と聞いたことがあると思う。
私も、子供の頃にクラシックギターを習っていた師匠の溝渕浩五郎先生にしつこく言われ続け、いつも面倒臭い、そしてとても細かな基本練習を沢山させられていた記憶がある。当時は“もっと曲が弾きたい!”と思っていたのだが、先生曰く“曲の音が出せても曲になるかどうかは左手次第だよ!”とのことだった。
当時は理解できなかったが、フラメンコに転向した後、実感させられた‥‥覚えの悪い私である。

さて、ここからは譜面を見ながら読んで欲しい。

jidari-1.JPG

1.とても基本的なアルペジオ、です。つまり分散和音、ですね。
ということは、1小節づつのコードを押さえている左手の各指の力は、絶対に緩めてはいけません。コード感が損なわれてしまいます。
1小節目から2小節目でコードが変わりますが、まさしく“瞬間的に”コード・チェンジがなされなくてはいけない、ということです。

ただ、現実には1小節目の最後のB弦開放のソを弾く時に左手のCコードを緩める、或は指板から各指を離す、ということになるかもしれませんが、練習の時には“瞬間的”にコードの形を変更する、という強い意志が必要になります。
でないと、ダラダラと音が鳴るだけで、アルペジオの持つコード感が薄くなってしまいがちです。単音のメロディーなのかアルペジオなのか‥‥ゴチャゴチャになって聞こえてしまうことになります。
このあたりのことを、どこまで“こだわれる”か‥‥ということで以後の自分のギターの表現力が決まってしまうと考えてください。

初めはゆっくりとしたテンポで、そして徐々に速いテンポで弾いても、左手は押さえておくところは押さえ、離す時は素早く離す、ということを身に付けられると良いのですが‥‥。

2.これは1.のバリエーションの一つです。
記譜上、C弦のミはpで弾きますが、2〜3拍まで響き続けます。ということは、力を緩めない、ということです。
低音のリズム的には“1-2、3”という“くくり”になりますね。
それを意識してから、amiによるアルペジオを弾くことになります。

ここでは3拍目から次小節の1拍目への左手の変化が忙しくなります。
実際には前述のように“最後のB弦を弾く時に左手のコードを緩める、或は指板から各指を離す、ということになる”かもしれませんが、練習時には極力“瞬間変化?”を心掛けるようにしてください。左手が鍛えられなくなってしまいますから‥‥。

このあたりのことが“どうせ聞いている人には分からないから‥”と、いい加減にしている、或は全く理解できていないギタリストが多いように感じます。
しかし、私の耳は聞き逃しません、というか、ついつい気になってしまいます。
フラメンコ協会の新人公演の時も、そんな耳で聞いてしまうので、ついつい言いづらいことも言ってしまうのですが‥‥仕方ないですね。

たった2つのことですが、このあたりの応用?で本場の一流どころのギタリストたちは弾いているのです。
もし、何かの折、本場のギタリストの演奏を聴く機会がありましたら、このあたりのことも聞き逃さない、見過ごさないで聞いてみると良いと思います。

今回紹介した練習は、ごくごく一部、です。
というのは、人によって異なる“指クセ”もあるので、各自に合った練習は個別に紹介するしかできませんのでご了承ください。

いずれにしても“自分の性格と正直に向き合って”練習してみてください。

posted by 飯ヶ谷 守康 at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋