2017年02月25日

アポヤンドの秘密-3(指の戻り方)

 前回書いたアポヤンドの秘密-2(作用と反作用)の補足、ということで、今回は“指の戻り方”について考えてみましょう。
何かと言うと私がしつこく言っていることの一つに“フォロースルーをしっかりと‥”というのがあります。
この目的は‥‥

1)音を出すだけではなく、必要なだけ響かせる
2)指の戻り方をコントロールする
3)右手の安定のため

‥‥と、大きく分けても3つの効果・働きを得るためなのです。
指の動きが小さ過ぎると右手がバタついたり、無駄な軌跡で動いてしまったり、音の説得力が少なくなってしまいがちです。
ただただ力を込めて弦に得寝るギターを与えても、大きな音は出るかもしれませんが、煩いだけで説得力の無い音になりやすいのです。といっても、聴く耳を持っている聴衆が‥‥残念ながら日本では少ないのが哀しい現状ですね。
強い音、大きい音と説得力のある存在感のある音とは、重なる部分もありますが異なる部分が大きいようです。

話を戻しましょう‥‥
指の戻り方、簡単に言えば“来た通りのままに戻る”というのが基本です。
試しに@弦で良いので、右手のi(人差し指)で往復運動?をしてみてください。
ちょうど@弦だけのラスゲアード?のような感じで↑↓する感じです。

では次に、やはり@弦だけのラスゲアード?のような感じで、今度はm(中指)で↑↓してみてください。
どうでしょうか!?、iの時と同じような力の入り方、同じような動きで弾けているでしょうか!?
さらにa(薬指)でも試してみてください。

動き方・戻り方が良くない場合には、自転車のペダル漕ぎ?のようになったり、右手の甲が上下に動いてしまったり‥‥しやすいようです。
特別に悪い癖がない人の場合はmの指の時が、無駄な手の甲の動きが無く、ほとんど同じ軌跡で↑↓できるようです。
もし、iの時に手の甲の動きがバタバタしている人は‥‥かなり問題があると思ってください。あらゆるメカで指の動きが悪い、或いは大きく損をしているとか思ってください。なるべく早めに力の使い方・動かし方を修正しないと、悪い動きのまま癖になってしまい指が動きづらい状況が固定化されてしまう危険があります。

i・m・aの動きが基本的に同じような軌跡で動き、どの指も同じような力の使い方で動かせている人は、そのまま自信を持って、気持ち良く弾き続けてください。全く問題は無いでしょう。

指の戻り方が正しい範囲に入っていれば、次の音の弾弦が素早くコントロールできる、ということに直結します。
つまりは“速い動き”にも対応できる、ということなのです。
音を響かせるということも、容易くできるはずです。結果的に、説得力・表現力も付くようです。(左手の使い方も関係するのですが、今回は‥割愛‥!!)

大昔に注目された“挟み弾き”がコレなんですね。といっても、若い人には“ナンダソレ〜!?”だと思います。50歳以上のギタリスト、或いはフラメンコマニアを見つけて聞いてみてください。
パコ・デ・ルシアが若い頃に毎日練習していたことの一つです。
効果絶大、ですよ!!
posted by 羊飼い at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年02月22日

アポヤンドの秘密-2(作用と反作用)

 何やら物理の超入門編のような書き込みになってしまいます。
心の世界でも言われる“作用と反作用”ですが、アポヤンドでも重要なポイントになります。
ちなみに、これは本場の某ギタリスト(事情により匿名)に指摘されたことの受け売りです、まずは、ご了承ください。

さて、何事もしなければ何事も起きません。当たり前ですね。
何かしらのエネルギーを対象に与えた時、同じ大きさのエネルギーを受ける‥‥ということですね。(但し、本物の物理に詳しい人は別のことを言うかもしれませんが‥!?)
あくまで基本的な感じ方・考え方として理解してください。
また、対人関係においても、この作用・反作用の原理が働くそうです。
某怪しい宗教でも同様のことを言っていましたね。

ま、それはともかく‥‥
例えば@弦に弾弦のためのエネルギーを与えたとします。
その時、アポヤンドしたA弦から同様のエネルギーが指先に与えられることになります。
勿論、厳密に言えば@弦の抵抗によって、多少はエネルギーの低下・軽減はあるのですが、反作用のエネルギーを指先で感知できるかどうか‥‥ということが重要なポイントになります。

かなり以前からネット講座でも普段のレッスン時でも“フォロースルーをしっかり‥”という助言をしているのですが、なかなか実感できる人が少ないのが哀しい現状です。
この“フォロースルーをしっかり‥”ということが作用・反作用を感知・自覚するためには不可欠なのです。
野球のバッティング、ピッチングや、ゴルフのスィングでも言いますね!!。
ギターの弾弦でも同様なのです。

音が出た直後に力が弱くなったり、力が抜けてしまう人が多いのは、この“フォロースルー”が弱かったり小さかったりするのが原因のほとんどのようです。
結果、音に説得力がない、音は出ても響かない、そして“指の動きのスピード感”が足りなくなってしまうようです。

昔、天才肌のクラシックギタリストのW氏が“瞬間弾弦、そしてハッキリと弦を掴んでください”といろいろな場で指摘していましたが、まさに作用・反作用をしっかりと感知・自覚してください、ということだったようです。
まさかフラメンコギタリストからも同様のことを指摘されるとは‥‥考えても見ませんでした。

以後、基本的、且つ本当のアポヤンドを身に付けるべく、毎日5〜6時間のアポヤンドだけの練習に明け暮れました。
すると、メトロノーム(昔のアナログタイプ)の重りが、どんどんと下げてもハッキリと弾けるようになりました。
つまり、速く弾けるようになったということです。

初めは2連符?、そして弾けるようになったら重りを下げていき、一番下のところでも弾けたら、元に戻して今度は3連符、それでも弾けるようになったら4連符‥‥そして、ついに重りを外しての4連符が弾けるようになった時、このアポヤンドを教えてくれた某ギタリストに食事を奢りました。といっても貧乏でしたから大した食事ではなかったのですが、彼は大いに喜んでくれました。

という私の経験から言うのですが、某ギタリストの言ったこと、そして天才肌のクラシックギタリストのW氏が言っていたことは間違いなかったと実感しています。
もし、出すだけ、出るだけのアポヤンドを“響く”アポヤンドに変えたい、そしてビカードを気持ち良く弾きたいと思っている方は、ぜひ“作用・反作用”の原理を弦上で実感できるような練習をしてみてください。

“どんな練習をすれば良いのか‥‥!?”と尋ねられても‥‥困ります。
一応、企業秘密ですので、ここでは具体的な練習方法は書けません!!<(_ _)>
しかし、ちょっと頭と指先の感覚に集中すれば、誰でも弾けるようになることは間違いありません。ただ、ちょっとばかり面倒かもしれませんね。

健闘を祈ります。

posted by 羊飼い at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2017年02月03日

今更ながらの‥ラスゲアードの基本

 ひたすら弦に爪を当てて指を動かせば、ジャラジャラとラスゲアードができます。
しかし、自分の好みの音が出るようになるまでは、ちょっとばかり時間がかかりますね。
さて、ここで“今更ながら”ラスゲアードの基本について復習してみましょう。
そもそもラスゲアードの意味?、使い道としては次の2通りが主なモノになると思います。
(特殊な使い道は省略!)

1.リズムを表現する
2.コードの響きを持続させる

また、その時の気分、形式によって強く弾いたり、軽く弾いたり‥と様々な弾き方・音に変化するのは当然のことと思います。
ここでは“超基本”の指の動かし方だけ取り上げてみたいと思います。
しつこいですが、気分、形式、TPOは無視、ということで了解してください。

私が大昔日本で習った、覚えたラスゲアードが下記の構え方でした。
mal-1.jpg mal-2.jpg

この状態から“弦に爪をぶつけるように”弾くのがラスゲアード、だとさ‥‥。
このような“構え”では、悪い意味で画一なラスゲアードの音しか出てくれません。
いくら強弱、つまり力をコントロールしたとしても、金太郎飴的なラスゲアードの音しか出せません。
心とは全く連動しないのです。
何の疑いも持たず、日々ガチャガチャ、ジャラジャラとラスゲアードの練習をした日々が呪われる。

当時、入手できた数少ないレコード(CDなんて無い時代の話!)の音を聞いて感じたのだが、自分の音とは別次元に感じた。
“う〜ん、もっと練習すれば、メルチョールさんやパコ・ペーニャさんのようなラスゲアードができるんだろうな!?”‥‥という、全くもって大きな勘違いをしていたのが悔やまれる。

後に、スペインに修行に行った時、某舞踊スタジオに出入りしていたプロのギタリスト、そしてプロを目指していた準ギタリスト?たちから“お前、ヘンなラスゲアードしているな!!”と言われてしまった。

--途中省略--

そして、皆から教えてもらった正しいラスゲアードの基本的な指の使い方・動かし方をご紹介しましよう。

rasgueo.jpg ※写真をクリックすると動画が見られます

これがラスゲアードの“絶対基本”の動かし方、だそうです。
この動かし方に気分、形式による感じ方が加わることで、様々なラスゲアードに変化していく、ということです。

例えば、怒りや不条理を感じた心でラスゲアードをするとしたら、指先・爪が弦から少し離れたところから“叩く”ような動かし方になったり、指の動かす幅が変化したり‥‥いろいろな“心の状態と連動した”ラスゲアードができるようになります。

また、別の言い方をすれば、ラスゲアードの基本として次の2通りに分けて考えることもできる、ということでした。

1.擦るラスゲアード
2.叩くラスゲアード

“擦るラスゲアード”は、最も基本的なモノで、“サラ〜ッ”としたラスゲアード。
“叩くラスゲアード”は、心に“怒り”等の感情が湧いた時に、弦に対して気分を叩きつける(ぶつけることとは別)、という時に良く使われる、とのことでした。
シギリージャスやブレリアスのキメなんかで使われますね。

いずれにしても、方法論としてではなく、心の表現によって、様々なラスゲアードがあるということです。
その為には、基本的な“擦るラスゲアード”が出来なくては話にならない、ということでした。

ひたすら練習してみると“おっと、レコードで聴いたことのあるラスゲアードみたいになってきた”‥‥という結果になりました。メデタシメデタシ‥‥。

ラスゲアードに悩んでいる方、ぜひお試しください。
悩んでいない方は‥‥無視しましょう(^.^)

posted by 羊飼い at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋