2018年04月18日

基本の延長にしか本物は存在しない、ということ

昨日『お薦め動画集』でリンクした“PEPE HABICHUELA Y TAMARA”を観て貰えただろうか‥‥??
特に、ギターを弾いている人は必見だと思うのだが‥‥。
もちろん、ペペ・アビチュエラ氏の素晴らしいカンテ伴奏ということもあるのだが、もっと基本的な部分も見て欲しいと思う。

イントロ部分、カメラのアングルがペペさんの右側から撮影している。指の動き、特にフォロースルーをじっくりと見て欲しい。また、“擦るラスゲアード”を、ハッキリと見ることができると思う。

不幸にも、もし、インチキフラメンコ奏法を教えられてしまった人は、悔い改めましょう(^^ゞ
ただし、本気で練習に取り組まないと修正は難しいでしょう。

昔と違ってYoutubeのような良いツールがあるのだから、利用・活用すれば良いと思う。
ただ、自己主張、自己顕示欲の強い輩が、恥ずかしくも無くインチキ情報を撒き散らしているようなので注意が必要だと思う。
特に、レッスン動画関係は、インチキ情報が非常に多いようだ。あまり見ない方が良いと思う。

観るなら、やはり、本気で弾いている“本番動画”が良いだろう。
例えばサビーカス、アビチュエラ、パコ・ペーニャ、ニーニョ・セベ(セベ・ヒメネス)さんたちの動画は、とても良いお手本を示してくれると思う。
他にも素晴らしい多くのギタリストがいるが、見易さ・分かりやすさで言えば上記のギタリストの演奏をじっくりと繰り返し見れば十分だと思う。おっと、これはあくまでも勉強ということに特化した見方をする場合です。
鑑賞ということであれば、いろんな人の演奏に触れた方が感性と好みを刺激してくれるだろう。

上級者は、やはりビセンテ・アミーゴやパコ・デ・ルシアになると思う。
また、外国人になるが、サムエリートさん、まだ20代なのだが素晴らしいギターを聴かせてくれている。
弾き方も基本に忠実で参考になること間違いない。ぜひ、目にして欲しいと思う。
“基本の延長にしか、本物は存在しない”、ということを、腹の底から納得して欲しいと切望する次第です。

ただし、酒場のフラメンコが、どうしても大好き、というひとは‥‥この限りではない、と思う。


posted by 羊飼い at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2018年04月10日

メリスマと音節

 今回もヘンなタイトルになってしまいました。
メリスマ‥‥フラメンコマニアなら言葉くらいは聞いたことがあると思います。
聞いたことがない人は覚えておいてください。

「メリスマ (melisma)」という言葉は、通常ではグレゴリオ聖歌に使われる言葉ですが、フラメンコでも使われます。それもカンテだけでなくギターでも踊りでも‥‥。
といっても、特に踊りの人にはピンと来ないかもしれないが‥‥。

ちなみに、グレゴリオ聖歌とは、『ローマ・カトリック教会で修道士や聖歌隊によって歌われる単旋律の典礼聖歌で、7世紀初期に初代ローマ教皇・グレゴリウス1世が各地で固有の形態をとっていた聖歌を統一したことに由来している。また、その旋律は、全音階から成る「教会旋法」によって構成されている。』というのが一般的に知られていることのようです。
なお、グレゴリオ聖歌とフラメンコとの関係については説明すると長くなるので省略します。
気になる人は‥‥自分で調べてください(^^ゞ。

ところで、メリスマを理解するためには、まず、“音節”というものを理解しておかなければなりません。(昔、英語の授業で習ったはずですね)
簡単に言えば、音節とは、基本的には“子音+母音で構成される音のまとまり”ということです。
また、言語によっては子音が複数になっていたり、二重母音もあったりで、ちょっと面倒なのですが、ここでは大雑把ですが、とりあえず“子音+母音で一音節”、というように理解しておきましょう。

メリスマとは“歌詞の1音節の中に多くの音符をあてた装飾的な旋律法”ということなのです。
これに対して1音節に1音符・音程をあてる旋律法をシラビック(syllabic)と言います。
これに似たものとして“コブシ”がありますが、“コブシ”との違いは、“細かく上下するように、たくさんの微細な音を、素早く、且つ連続的にスラーをかけたように歌う”のがメリスマ、なのです。

また“コブシ”は、ギターで言えばトリル、或いはプラルトリラー(プララー)に近いもので、本来はメリスマとは異なるもの、と理解しておいてください。
ただ、Youtubeなんかでは、インチキな情報が撒き散らされているようです。気を付けてください。

さて、これが実際の音になるとどんな感じになるかは譜面を見ながら読んでください。
おっと、興味のない方はパスしてください(^^)/。

melisma-1.JPG
1.
 グラナディーナスのシメとして非常に良く出てきますね。ギターでのメリスマの良い一例です。
1音1音丁寧に音を出そうとするあまり、メリスマがシラビック的になりやすいものです。
各音が流れるように、正しく“1音節”として聞こえなくては‥‥マズイのです。
そのためには、ちょっと特別な練習を繰り返さなければならないでしょうね。

技術的には、スラーの延長?なのですが、最低でも“2つの力”が左手に実感できないと、メリスマ感は乏しいものになってしまうでしょう。
特に、POS.2からPOS.7へとグリッサンドする時に、直前・直後のスラーとの一体感、同質感が損なわれやすいようです。
いずれにしても、ある程度以上のスピードで弾かないと、恥ずかしくてみっともないメリスマになってしまいます。

2.
 巨匠マリオ・エスクデーロ氏の曲で“Impetu”の中に出てくる“コブシ”の一部分です。
この“コブシ”はメリスマとは異なり、1音ずつハッキリと独立させなければマズイですね。
メリスマと同等か、それ以上のスピードで指を動かさないと、やはり恥をかくだけのようです。

 また、コンパス的にはブレリアスなのですが、キメの10拍目の直後の11拍目から始まっている、ということにも留意してください。12拍目からは始まっていません。ちなみに、この曲はエスクデーロ氏直伝、です(^^ゞ

3.
 これが“恥かきのコブシ”の一例です。
自分では2.のように弾いているつもりが、聞いてみると3連符のスラーのようになってしまう‥‥明らかに技術不足です。
どんなに魂で弾こうとしても、“恥ずかしいコブシ”しかできません。

試しに、2.と3.を聴き比べると、その奏法の違い、技術レベルの違いがハッキリと分かります。
2.の場合は、リズミカルで躍動感が感じられますが、3.では“腰砕け”のだらしなさの連続、としか聞こえてきません。

実は、これも“ギターは左手で弾くもの”、ということの一部なのです。
ご理解いただければ幸いです。


posted by 羊飼い at 16:52| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋

2018年03月19日

クリスティーナ・ヘーレン財団でのペドロ・シェーラ氏のクラスのレッスン風景

あの有名なクリスティーナ・ヘーレン財団でのペドロ・シェーラ氏のクラスのレッスン風景です。
クリスティーナ・ヘーレン財団、まだ設立されたばかりの頃、札幌時代のウチのスタジオからも6名の人が入学していました。
残念ながら、誰もプロにはなりませんでした。日本では、実力だけではプロにはなれませんからね‥‥不条理‥‥。

しかし、ギター科のレッスンで“Zyryab”を取り上げるとは‥ちょっと驚きというか、嬉しいですね。
レッスンですからテンポがマッタリし過ぎというのは仕方のないことでしょう。

ところで、画面の右側に東洋人がいるようです。日本人のようにも見えますが‥‥!?。
もしそうだったら、日本に帰ってきたら、ぜひ“Zyryab”を聴かせて欲しいですね〜。
できたら、一緒に気持ち良く弾かせてもらいたいところです。
でも、“年寄り不可”なんて言われそうですね(^-^;

しかし、どうでも良いことですが、ペドロさんの横でヘンなパルマを叩いている女性、曲のリズムが理解できていないご様子です。邪魔なだけだと思いますが‥‥!?
ちなみに、この曲は途中のリズムからも分かるように、ファンダンゴ系のリズムです。ベルディアレスと解釈しても良い、と本場の某ギタリスト氏が言っていました。御意!!

とかく、踊りの人は理解できている形式が少なすぎる傾向があるようです。
ま、踊りのある形式は、とても少ないですから、仕方のないことかもしれません。
このような曲にパルマを打つ場合は、もっと勉強して欲しいところです。
しかし、こんなインチキパルマは排除した方が良い、と思います。!!


posted by 羊飼い at 09:11| Comment(0) | TrackBack(0) | フラメンコ処方箋